大正時代でも新しい?
落語の成立時期は江戸時代の前期と言われています。1680年あたりという説が有力で、お寺の僧侶だった露の五郎兵衛が、京都のお寺の境内などでお金を取って興行をしたのが始まりだとか。
もともとお坊さん/僧侶は説法話などを聞かせるために様々な工夫をしており、それが発展していって落語になったということですね。
歴史の深い落語なので、大正時代以降に作られたものは『新作』と呼ばれているんです。それ以外は『古典』です。
この記事では、そんな古典落語と新作落語の違いについてまとめました。
目次
定義は”作成された時期の違い”
古典落語と新作落語の違いは何か一言で答えよ、と言われたら、『作成された時期の違い』というのが答えです。既に述べましたね。
下記が違いです。それ以上でもそれ以下でもありません。
ポイント
- 古典落語:江戸~明治にできた演目
- 新作落語:大正時代以降にできた演目
古典落語と新作落語の性質の違い
では、古典落語と新作落語では何が違うのでしょうか。最も大きな違いは『江戸時代の暮らしや文化、風俗をメインで取り扱っているかどうか』でしょう。
古典落語はほとんどすべてが江戸時代のことを話しています。江戸時代に大量に作られた落語の中から、ずっと語り継がれてきたものだけが古典として残っているのです。なので、時代の流れに左右されない普遍的な滑稽話、感動的な人情話などが話され続けています。
新作落語は、作られる時々の旬のワードやトピックを取り入れることができるため、爆笑度が高くなることが多いです。古典と比べて圧倒的にわかりやすいおもしろさがあります。ただし、江戸時代の舞台設定を取り入れた”髷物”と呼ばれる噺もあり、奥深さもあります。
ここからは、
- 知っておくべき古典落語
- 後世の落語に影響を与えるであろう新作落語の旗手
を順番に紹介します。
教養として知っておきたい古典落語の演目紹介
江戸時代の登場人物、舞台設定、の演目が古典落語です。まぁ、江戸時代に作られたのだから当然ですよね。代表的なものをいくつかpick up!
時そば
定番中の定番の演目といえばこちら。江戸時代の時刻の数え方が粋で良いんですよね。
うまい人がやる席を冬に観ると、本当にそばが食べたくなっちゃうからすごい。
目黒のさんま
殿様が滑稽で愛らしい、古典落語の定番です。当時はさんまは庶民の食べ物で、上流階級の人は食べなかったんですよね。目黒は江戸の片田舎。
そんな江戸時代の様子がわかる一席。
寿限無
『じゅげむじゅげむごこーのすりきれ......』子供が生まれた男が、子に縁起の良い名前を、と和尚さんに候補を聞き出したのは良いものの。
ひたすらに長い長い名前がもたらすドタバタ劇です。これも超有名ですね。
新作落語の名手たち
保守的で伝統ある古典落語に対して、新作落語は、いわば落語界の革新派たちが作り上げていく落語です。
ここからは新作落語を話す落語家をpick up!
三遊亭 圓丈
三遊亭円丈師匠は、新作落語の概念を変えたと言われています。
SFやファンタジーを融合させたような、奇想天外な世界観を落語に取り入れた演目は革新的で、他の落語家に多大なる影響を与えました。
桂文枝
上方落語界で創作落語と言えばご存じ桂文枝師匠。これまでに200以上の創作落語を世に出してきた強者です。大阪の人情が色濃く残ったクセの強い演目が多数です。関西弁が癖になります。
【落語ラジオ】桂三枝『妻の旅行』落語・rakugo(桂文枝)
春風亭昇太
大人気の老舗番組”笑点”司会での活躍はもちろんのこと、演劇や音楽ライブなどでも活躍し続ける春風亭昇太師匠も、新作落語を積極的に作っている一人です。古典も独創的にアレンジする、攻めの笑いが楽しめます。
おわりに
古典落語と新作落語の違いについての簡単まとめはいかがでしたでしょうか。少しでもお役に立てましたら幸いです。
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