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なぜ落語は笑いを生むのかをわかりやすく解説

哲学者も取り組んできた謎:何故人は笑うのか 

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プラトンとアリストテレスは言った。
『笑う動物は人間だけである』と。

正しくは猿も少し笑いますが、こんなにも高度な笑いを扱うのは人間だけと言ってかまわないでしょう。

また、ニーチェは良います、『笑いというものは、他人の不幸を手放しで喜ぶことだ』と。その他、カント、バタイユなど、たくさんの哲学者が笑いについて研究してきました。

この記事では、

  1. そもそも笑いとは何故うまれるのか
  2. 落語が何故笑いを生みやすいのか

順を追って見ていきたいと思います!

目次

2つの世界を同時に認識できるとき、笑いは生まれる

難しいことを言っているようですが、こう言いかえれば簡単です。

  • 『勘違いの世界』と『現実世界』
  • 『妄想の世界』と『現実世界』
  • 『主観的世界』と『客観的世界』

漫才でいうところの、『ボケの世界』と『ツッコミの世界』というわけですね。

普通の漫才では、ボケが言うことは、世間からズレていて、ツッコミがそれを是正する、その2つを認識するときに笑いというものは生まれるわけです。

落語『寿限無』でも、『長すぎる名前を真剣につけようとする親御さんの世界』=主観的世界と、それに対して『長過ぎる!とつっこむ冷めた視線の世界』=客観的世界が両立されているから笑えるんですよね。

では次に、詳しく落語の世界の笑いの要素について見ていきましょう。

落語にはどのような2つの世界があるのか?

先にあげた 『寿限無』以外を例にとって見ていきましょう。

金明竹

まずは小三治師匠の一席をどうぞ御覧ください。


小三治 金明竹

2つの世界は

  • 骨董屋の店主の言葉=現実の世界 
  • 店番の少年の言葉=勘違いの世界

となります。店番の少年が滑稽なものとして認識され、2つの世界が現れて笑いが生まれているんですよね。逆に、店番の少年の言うことを真に受けていては、怒りがこみ上げてくるだけです。笑いなんて生まれません。噺家にとって笑いを生むために大事なのは、あくまでも客観的に2つの世界を認識させることなんですよね。

現代の漫才でも非常にオーソドックスで、ナイツやスリムクラブなどなど、M-1芸人にも勘違いネタはたくさんありますし、すぐに思い浮かぶのではないでしょうか。 

だくだく(書割盗人)

こちらもまずは噺を見てみましょう。


立川志の輔 だくだく

2つの世界は

  • 絵を本物と思い込む世界=妄想の世界
  • 絵を本物と思い込んでいることを前提に演じる世界=メタ的世界

*メタ=何かについて何かを言及などをすること。小説内で登場人物が作者について語ったり、あるマンガのキャラクターが同じ漫画家の別作品に登場したりすること

コントで言うと、ラーメンズのネタのようなシュールさが生まれているかもしれません。現実の世界という視点ではなく、妄想の主観的世界と、客観的ではあるものの、妄想の世界を認識し、更に妄想に乗っかるんです。メタ要素があるシュールなネタになっているんですよね。

おまけ:洒落落ちについて

これも2つの世界になっているんですよね。解説するまでもありませんが簡単な例を。

『ふとんがふっとんだ』
蛇足ですが、共通の音の要素『ふとん』がかかっているので笑えるらしいです。最も古典的な笑いと言われています。 話芸の始まりはこんなことだったのかもしれませんね。

おわりに

いかがでしたでしょうか。同時に2つの世界が客観的に認識できる時、笑いが生まれるんですよね。日常生活にも応用してみてください。
また、【かし亭】では、笑いを出前形式でお届けする出張落語サービスを行っております。お気軽にお問い合わせくださいませ。

 

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